GDX株式会社

CASE STUDY / 物流・倉庫業

倉庫の「探す・間違える・残業する」をまとめて改善。作業時間30%短縮、誤出荷80%減を実現した業務改善事例

従業員40名の物流・倉庫会社で、保管から出荷までの流れを見直した事例です。

商品はあるのに、置き場所が分からない。出荷のたびに倉庫内を探し回り、紙の指示書は紛失する。さらに、ロットや使用期限の取り違えによる誤出荷も起きていました。

商品の置き場所、作業動線、情報共有の方法をまとめて再設計した結果、同じ受注量に必要な作業時間を約30%短縮。誤出荷は80%減り、残業の常態化も解消しました。

受注増に、現場のやり方が追いついていなかった

受注増と従来の作業方法が重なり、残業が常態化していた状況
受注増と従来の作業方法が重なり、残業が常態化していた状況

今回支援したのは、商品の入庫・保管・検品・ピッキング・出荷を請け負う物流・倉庫会社です。倉庫では10種類以上の商品を扱い、同じ商品でもロットや使用期限が異なります。販売用と非売品の区別に加え、梱包資材の管理も必要でした。

一方で、置き場所のルールは十分に整っていません。商品や資材が倉庫内に散らばり、必要なものがどこにあるかは作業者の記憶頼み。出荷や在庫確認のたびに、探す時間が発生していました。

受注量が増えるにつれて、残業と休日出勤も増加。忙しいから人手が足りないように見えますが、現場では作業以外の時間が膨らんでいました。

現場で時間を奪っていたのは、3つの分断

モノ・人の動き・情報の3つが分断されていた状態
モノ・人の動き・情報の3つが分断されていた状態

改善案を決める前に、入庫から出荷までの作業を観察し、工程ごとの時間を計測しました。経営者、現場責任者、作業者への聞き取りも実施。そこで見えたのは、単純な人手不足ではなく、モノ・人の動き・情報がつながっていない状態です。

モノ:置き場所と区分が曖昧

ロット違い、使用期限違い、販売用、非売品、資材が明確に分けられていませんでした。該当商品を見つけるまでに時間がかかり、似た商品を誤って出荷する原因にもなります。

人の動き:移動と交差が多い

商品棚、検品・梱包の作業台、資材置き場、スタッフの立ち位置が作業順に並んでいません。長い移動に加え、人同士が通路でぶつかる動線も発生していました。

情報:紙と記憶に依存

荷受けや作業の指示はメールやFAXで届き、倉庫では手書きメモを貨物に貼って管理していました。紙が風などで紛失することもあり、入出庫やピッキングの確認は目視が中心です。情報が分かれたままでは、確認の手間とミスを減らせません。

保管・動線・情報共有を、まとめて組み直す

保管ルール、作業動線、情報共有を一体で再設計した改善策
保管ルール、作業動線、情報共有を一体で再設計した改善策

課題は一つにつながっていたため、棚だけ、システムだけと部分的に直すのではなく、保管・動線・情報共有を同時に見直しました。

  1. 01

    商品を探さずに済む保管ルールをつくる

    商品、ロット、使用期限、販売用・非売品、資材の区分に沿って、保管場所を再設計しました。さらに、出荷頻度が高いものほど取り出しやすい位置へ配置。新しく入庫した商品を決められた場所へ置くルールも定めています。

    誰かの記憶ではなく、決められた場所を見れば分かる状態へ切り替えました。

  2. 02

    入庫から出荷まで、短く交差しない動線にする

    商品棚、検品・梱包の作業台、資材置き場、スタッフの立ち位置を実際の作業順に合わせて配置し直しました。不要な往復を減らし、人同士が通路で交差しにくい流れへ変更。大量入庫に対応できる空きスペースも確保しています。

  3. 03

    紙と目視を減らし、バーコードで確認する

    既製の在庫管理システムとリングスキャナーを導入し、商品の保管場所を登録しました。入庫・保管・ピッキング・出荷をバーコードで確認できる手順に変更。メール、FAX、手書きメモに分かれていた作業指示もペーパーレス化し、事務所・倉庫・顧客間の情報共有方法をそろえています。

    ピッキング工程そのものも組み直し、経験の浅い作業者や短期雇用者でも、同じ手順で進められる形にしました。

数字で見る、改善後の変化

作業時間、誤出荷、配置人数、終業時刻、人件費の改善成果
作業時間、誤出荷、配置人数、終業時刻、人件費の改善成果

保管場所、動線、確認方法を一体で見直したことで、同じ受注量に必要な作業時間は約30%短くなりました。改善初日だけでも終業時刻が約1時間前倒しになり、その後は残業の常態化が解消。繁忙日には残業や休日出勤が残るものの、以前と比べて大幅に減っています。

項目改善前改善後
同じ受注量に必要な作業時間基準約30%短縮
誤出荷ロット・使用期限違いなどが多発80%減少
保管場所の確認時間探す作業が発生約10分の1
ピッキング担当9名4名
会社全体の人件費基準約40%削減
残業・休日出勤ほぼ毎日残業し、休日出勤も多い常態化を解消

人を増やしたり、現場に無理を求めたりした結果ではありません。探す、歩く、紙を確認する、間違いを直すといった時間を減らし、4名でも安定してピッキングできる流れを整えた成果です。

業務量が増えたときこそ、人を増やす前に流れを見る

人員追加の前に仕事の流れを観察・計測し、改善を定着させる考え方
人員追加の前に仕事の流れを観察・計測し、改善を定着させる考え方

受注が増えて仕事が終わらなくなると、最初に「人を増やすしかない」と考えがちです。しかし、現場には売上を生まない時間が隠れていることがあります。

  • 探す時間を数字にする:数分の探索でも、人数と回数が重なれば大きな負担になります。
  • モノと情報を一緒に整える:棚の配置だけを直しても、紙と記憶に頼る確認方法が残ればミスは減りません。
  • システム導入とルールづくりをセットにする:道具を入れるだけでなく、誰が作業しても同じ結果になる手順まで決めることが重要です。

GDXは、代表が直接現場に入り、作業の観察・計測から改善策の実行、社内への定着まで伴走します。「受注は増えたのに、残業も増え続けている」「現場のミスが減らない」。原因が整理できていない段階でも、お気軽にご相談ください。

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